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金曜日
Perfume Night vol.5でのtofubeatsのDJ音源を聴きながら例のフライデーの件で祭り状態になっている2ちゃんねるの該当スレッドを見ているうちに、それを知った当初は何とも思わなかった自分の感情がしだいに振幅を高めながらぐらぐらと大きく揺れ動き始め、ショックを受けている自分とそのショックから極めて無意識的に目を背けようとしている自分という引き裂かれた精神状態に陥ってしまっていることに驚くとともに、その驚きさえも無意識下に封印しようという圧力を感じてしまうようなスパイラルが延々と続いているという気分である。

はじめてPerfumeに出会ったのは、TOWER RECORDS新宿店の試聴コーナーだった。たぶんエレクトロ・ワールドか、コンプリートベストが出たあたり。テクノポップアイドルというコンセプトを全面に打ち出していた頃で、うわ、ちょうありがち・・・と、当時は先入観たっぷりに聞き流してしまっていた。再びPerfumeに出会うことになったのは、2ちゃんねる狼板のスレッドPerfumeのチョコレイト・ディスコが神曲な件に貼られていたyoutubeへのリンクで辿り着いた、チョコレイト・ディスコのPV映像。この映像で木村カエラと同様に衝撃を受け、すぐさま六本木umuのリリースイヴェントを観に行き、心地よくグルーヴする3人のMCに触れたことで、本格的にPerfumeにのめり込むことになった。つまり、きっかけは音ではなく、PVのヴィジュアルと3人のキャラクターだった。なので、bitterリリース当時の休日は毎週のように同じDVDを繰り返し見続けていた。そうこうするうちに次第に音にも興味を覚えるようになり、また、面影ラッキーホールとの対バンで「大学でプレゼンやって先生に褒められた」「この後の面影さんも思いのほか良いですよ~」とここでもやはり自由奔放なトークを繰り広げる3人を見ながら、このようなへんてこなイヴェントに呼ばれるというポジションの面白さというか俗に言うところのサブカル的な観点での関心も生まれ始めていた。

ポリリズムで大きくブレイクし、ああいうガツンと派手な曲も悪くないけどこういうのばかりだったらつまらんなあと思っていたところでBaby cruising Loveがリリースされ、いよいよテクノポップからも逸脱し始めたか?と、この頃は俄然音への関心がますます高まっていた。が、その後リリースされたGAMEは、3人発信な何かがあまり感じられず、そろそろ20歳を迎えていつまでも大人の言いなりになっているのはいかがなものかと思っていた自分には音楽的にやや不満が残る内容であった。一方では、売れてきて3人のルックスがどんどん垢抜けてきたことで、興味の向き先は音よりもアイドルっぽさやキャラクターのほうに再びシフトするようになっていった。中田ヤスタカが「3人からこんなことやりたいとか提案してきてほしい」と語るものの、音的にはあいかわらず操り人形で「3人発信な何か」は期待できず、他方ではその可愛い感じとかいわゆるかしゆかに殺された的な感覚でPerfumeを楽しむという摂取の仕方は、どんどん強度を増していく。やっぱPerfumeはアイドルなのだ。そう思っていた。なのに、YoYoGi DISCO MIXを聴いて、MIXがダサ過ぎるとかAiraのtofubeatsマッシュアップに見劣りしているとか、さらに、WOWOWのライヴ映像を観て一層ショックを受けたのが、あ~ちゃんが奇声を上げて指示するままに皆でディスコディスコって手を振るあのくだり。これがPerfumeなりのディスコですだと?噴飯もの以外の何物でもない。人が簡単に音楽で踊り出すと思うな。ダンス音楽を舐めんな。と、このように出てくる感想は音楽的な愚痴ばかり。アイドルとして観ているのならば最も熱狂できるはずのジェニーはご機嫌ななめはというと、間近で見たのっちの笑顔からは、何か非常に頑張って笑顔を作っている感がひしひしと伝わり、今思えばあの寒々しさがこの度のフライデーの予兆だったのでは、と書くのは邪推が過ぎるだろうか。

このようにアイドル的魅力と音楽的魅力との間を揺れ動きながらPerfumeにはまっていた自分にとって、この度のフライデーの件は、決して他人のことはいえないが恋愛偏差値があまり高いとは思えないのっちが、同年代の男の子との等身大な恋愛を満喫しているのではなく、相手が三十路のロキノン系おっさんミュージシャンという、ギョーカイジン的で何かと面倒なコネクションに巻き込まれてる感アリアリな相手だったということが、とてもカッコ悪く思えて、まあつまり、他人の幸せも自分の幸せも全く嬉しく思わないルサンチマンの塊のような自分の性格に由来する屈折した感想しか抱けない。以前に話題になった、蒼井優×岡田准一のときは、2人のあまりの釣り合いの良さと美しさに素直に祝福できたものの、今回はアンバランスでかなりしょぼい組み合わせ。面影ラッキーホール的なダメな女のしょっぱい物語に成り下がるまであともう一歩って感じで面白いじゃんと言えなくも無いし、面影自体は確かに大好きなのだが、Perfumeでそれを見せられるってのは複雑な気分。この、本当にどうでも良いことだと思っているのに何でこんなに失望しているのか分からないぐらいに大きな失望感は、アイドル免疫の弱い自分にとって非常に貴重な体験。何のオチもありませんが、この無駄に長い文章のその長さこそが、この度のフライデー事件に対する自分の動揺を率直に物語っている気がします。
by m4k0t1 | 2009-06-12 01:57 | memo
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